2017年9月20日水曜日

フレイルと運動と食事と

 Yahooニュースにこんな記事がありました

高齢で活力衰える「フレイル」、国内250万人が該当か
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170918-00000017-asahi-soci


厚生労働省研究班の報告書によるとフレイルとは「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」
とされています。

要は運動機能、認知機能が低下して生活する力が少なくなっている状態ということです

対策として「フレイルの人が元気を取り戻すためには、肉類も含めてしっかり食べて日常的に運動をするほか、社会活動に積極的に参加することなどがすすめられている。」
とあります

肉類をしっかり食べるということは筋力の維持に大事です
生物というのはつねにタンパク質を分解しつつ、一方でタンパク質を合成しています
なのでタンパク質、肉類をちゃんと取ることが大事です

日常的な運動、社会活動への参加はすることによって筋力を維持するということでしょう
よくテレビとかでいるマラソンやったり農作業しているおじいさんおばあさんはそんな年齢に見えないくらい若いこと多いですよね

でもあれって
運動や社会活動しているから若々しく健康のか
若々しく健康だから運動や社会活動を続けられてるのか
どっちなんでしょう

どちらにせよ若々しく、健康でいるために日常的な運動は続けようと思います

2017年9月18日月曜日

博士号取得者の就活情報まとめ

これから博士号とるよって人や博士号をとってポスドクしてる人に向けて
アカデミアにしても民間企業にしても就職情報を集めるのにいいサイト(自分が使っているサイト)をまとめてみました。
(2017年11月14日更新しました)

イノベーション創出を担う研究人材のための キャリア支援ポータルサイト
https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekTop



科学技術振興機構(JST)が運営するポータルサイト
アカデミアのポジションやテクニシャンの募集もあるし、民間企業の募集もある。
マイナビリクナビのようなサイトより研究職の募集が多いし使いやすいのでは

キャリア支援(ビジネス人材育成センター)
http://www.aip.nagoya-u.ac.jp/graduate/career/

名古屋大のキャリア支援です。
名古屋大の...とは言っても所属が名古屋大でなくても登録できます(状況が変わっていなければ...)
個別面談だけでなくセミナーや交流会もあります

博士情報エンジン wakate
https://ssl.phd-engine.net/wakate/






J-recinと連携し、民間企業の若手対象非公開求人情報の提供をしているサイトです
卒博士対象もしくは学位取得後1~2年の方対象ということなので中身は見ていませんが役立つと思います


 博士情報エージェントPh.D. AGENT
 https://ssl.phd-agent.net/


株式会社エマージングテクノロジーズが運営するポータルサイト
j-REC-INとは違ってアカデミアのポジションはあまりなく、民間企業の募集が中心
博士・研究職コンサルティングもやってくれる

 博士人材のための逆求人型就活サイト OfferBox Ph.D.
https://phd.offerbox.jp/



株式会社i-plugが運営する2017年8月31日にリリースされた就活サイト
まだほとんど使っていないので中身がわかっていませんが、
プロフィールを書いて興味持った企業からオファーがきたり、こっちからオファーしたり?というサイトの様子

Linkedin
https://www.linkedin.com/


LinkedInというSNS、自分のプロフィールを書いたりして人材交流をする...というサイト
必ずしも交流ばっかりじゃなくていろんな企業が募集をしていてそこに応募できる。
iOSアプリにLinkedIn求人というアプリもあって日本だけじゃなく海外の募集も見れる。
どちらかというとアカデミアより民間企業志向?

もしこんなサイトがあるよとか情報ありましたらコメントしてくださると嬉しいです


納豆菌は最強で甘く見ない方がいい(らしい)

少し前に納豆菌に関してこんなニュースが出てました
「納豆菌が強すぎて、納豆厳禁の職場がある」「宇宙空間でも死なない」 ネットに広がる“納豆菌最強伝説”はどこまで本当?
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170915-00000003-it_nlab-sci



微生物学を学んだ人なら納豆菌(というかBacillus属)の強さはよくご存知でしょう。

とくに芽胞とよばれる状態になるとエラく強い状態になります。
オートクレーブ滅菌(121度、2気圧で20分ほど熱をかけて微生物を殺す) でも生き残ることがあって、
1度オートクレーブ滅菌をして、しばらくしてからまたオートクレーブ滅菌をするという方法があるくらいです
このことは納豆作るのとは無関係ではないです
納豆がワラに包んである絵がよくありますが、これはワラについてる納豆菌を使って発酵させるため、包む前にはワラを煮沸消毒することで納豆菌以外の菌を殺して芽胞を目覚めさせるためと言われてますね

食品系で納豆が御法度になるのはこの耐性の強さがあるからでしょう
(銀の匙でもチーズ作りのときに前日に納豆食べたか聞いていましたね)

繁殖力もあげられてますが、納豆菌が30分に1回分裂するのに対して
清酒を作るのに使う酵母は2〜2.5時間に1回分裂
乳酸菌は1時間に1回分裂
なのでだいぶ納豆菌は分裂早いですね

たった30分くらいの違いでしょ?とおもうかもしれませんが微生物は倍々で増えていくのであっという間にものすごい数の差がつきます

最強と言われて話題になっている納豆菌ですが、すでに納豆菌が最強で甘く見ない方がいいというのを指摘していた人がいます。
それは堀川さんのこのネタ記事です。

みんな納豆菌を甘く見ない方がいい
http://horikawad.hatenadiary.com/entry/20111101/1320152177

もう一度言う。みんな納豆菌を甘く見ない方がいい。
http://horikawad.hatenadiary.com/entry/20120401/1333235687

どうやら納豆菌たちはいろいろと画策をして人間に自分たちが無害ということを教えているようである
そしてこの記事によると自分はもうダメなようである
わたしは大の納豆好きで朝と夕に1パックずつ食べているのである

しかし日本酒焼酎好きで納豆好きなわたしはどうすれば...


2017年9月17日日曜日

フジのウソ情報放送に思うこと


フジテレビ「ネットのウソ情報放送」BPO委員長談話が示す制作現場の深刻な劣化
https://news.yahoo.co.jp/byline/fujisiro/20170917-00075830/

ちょっといろいろ衝撃的だけど、その一方でまぁ仕方がないかと半ば諦め的になってます。

上記記事でも指摘されてますがBPOの発表に(https://www.bpo.gr.jp/?p=9216)
「いずれも事実ではない放送であるから放送倫理違反があることは明らかであるが、インターネット上のもっともらしい情報を真実と信じてしまったという不注意からの過誤であり、誤った内容は、過去に何度か引退表明と撤回を繰り返したことが広く知られているアニメ映画監督についての事実ではない引退宣言集と、珍しい味が売り物のアイスの実在しない味のパッケージ画像であるから、それ自体はそれほど重大とは言えない。」

ってなにいってるんですか?
過去に似たようなことしてるから勘違いしても仕方ありませんってこと?

しかも当事者が問題にしていないから審議対象ではないって...
もうテレビはフェイクニュースに対して何かを言う資格はないんじゃないかな

 で、今後の対策についてだけど
「まずなすべきは、そのサイトあるいは発信者が信用できるかどうかというチェックであり、そのためには相当な知識と経験が必要となる。しかし信用できそうに見えるサイトや発信者であっても、真実性についてどれだけ吟味しているかは不明なのであり、この点で、全国紙の記事が校閲の専門家によってチェックされているなど、活字メディアの記事が程度の差はあれ、校閲担当者によるチェックを受けているのとは全く異なる。
 そうなると裏付け取材が必要となるが、インターネット上の情報は容易に拡散されるという特質があるから、いくら同じような情報が他のサイトにあっても、その数は真実性の保証とはならない。従って裏付けはインターネット以外の場で行わなければ確実ではないということになる。しかしそれには時間と手間がかかるので、テレビ番組の制作のように時間の制約がある場合には、なかなか実行できないであろう。現に、このフジテレビの事案でも「納品期限」が優先されてしまっている。」

わかってんじゃん。
その情報源が信頼に足るかどうかを判定するには「相当な知識と経験」それに「時間と手間」がかかるって。

それって結局のところ人手と時間とお金かけなきゃ達成できないんだよ?
適当に下請けに丸投げして信頼できるものを出してくださいなんて都合のいい話はないでしょ

2017年9月15日金曜日

カッシーニと地球外生命体


さよならカッシーニ、ついに土星衝突軌道に突入
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/091100344/?s_cid=bpn_TopMR

今日の夜8時くらいにカッシーニが土星に衝突しました
カッシーニは1997年に打ち上げられた探査機で2004年に土星軌道に入りそれからずっと探査を続けてきました

いろいろと成果はたくさんありますが、生物を専門としている人間からするとやはり
エンケラダスに液体の海があることの発見
エンケラダスのプルーム(間欠泉)の発見
でしょうか。

エンケラダスというのは土星の衛星の1つです
なぜそんなところに液体の海だか間欠泉があることに生物の人が注目するの?というと
そこに地球外生命の可能性があるからです

第11回 高井研 私を氷衛星地球外生命探査に連れてって エンケラドゥスvsエウロパvsケレス(前編)
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20140708/406546/

詳しくは高井先生の記事を読んだ方がはるかにわかりやすいと思いますが
Q. なぜエンケラダスに注目するの?
A. そこに地球外生命がいる可能性があるから

Q. なぜ地球外生命がいると注目するの?
A. 地球の生命のはじまりやその成り立ちがわかる(かもしれない)から

なぜ地球の生命のはじまりを知るのに地球の外の生命を研究する必要があるんでしょうか
地球の生命というのはものすごい種類の生物がいますが、
その生物を構成する細胞、システムに着目すると1つのシステムから成り立つ生命と言ってよいです

生物の情報を書き込んでいるDNAはA、T、G、Cの塩基で構成され
その情報はRNAに転写され、20種類のアミノ酸を指定します

このシステムにはなにか必然性があるのか
ATGC 4つでなく別の4つの塩基ではいけないのか。あるいは6つや8つではいけないのか
タンパク質を構成するアミノ酸は20種類じゃなきゃいけないのか15種類とか30種類とかじゃいけないのか
(とりあえずタンパク質については20種以外のアミノ酸でも大丈夫)

あるいはまったく想像もしないようなシステムを使った生命が存在するのか
そもそも生命とはなんぞや?という根本的な問いに対する答えがでるかもしれないから着目しています

今回の探査では生命がいるかどうかの答えは出なかったけど、今後の探査に期待したいと思います




2017年9月11日月曜日

ポケモンGOでストレス解消!?









ポケモンGO、労働者のストレス軽減 初の科学的検証
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170907-00000063-asahi-sci

ちなみに論文へのリンクがなかったので論文はこっち
Pokémon GO and psychological distress, physical complaints, and work performance among adult workers: a retrospective cohort study
https://www.nature.com/articles/s41598-017-11176-2

ポケモンGOやってる人はストレスの指標が下がったけど、やってない人は横ばいだったということのようです
Abstractの最後にも言及がありますけど、「効果量としては小さいけれど、働く人たちのメンタルヘルスにいい効果がある」ということですが
効果としては小さくても 役立つならいいと思います(それにポケモンGOやったらストレスが半分になるぜ!みたいな話になってもちょっと怖い笑

あとはストレス解消に繋がらなくてもポケモンGOが運動習慣を始めたり続ける動機付けきっかけになるならとてもいいことじゃないかなーと思うわけです
運動習慣があればきっと生活習慣病予防にもなるでしょうし

データとしてとってないのかもしれないけど
たくさんやってる人たち(いわゆるガチ勢的な人たち)とたまーにやる人たち
都心の方でポケストップがたくさんある人と田舎のほうであんまりない人たち
とかで続けられたとかストレス解消に差があったりとかするのかな?

自分は最初のころにやったけどすぐ飽きてしまって辞めてしまったので。。。
ちょうどいい機会だしまた始めようかな

最後に歩きスマホはやめましょう!事故の原因になりますよー!



2017年9月7日木曜日

遺伝子はこの先どうなる?

SFの世界、自分が好きな映画ガタカ(GATTACA, DNAの塩基ATGCを表す)では、



遺伝子操作を受けた「適正者」とそうでない「不適正者」がいて、
能力的にも社会的にも階層があり差別されている
しかもそのへんのコンビニくらいの感覚で遺伝子を調べて「適正者」か「不適正者」かを判断してくれるし
自動改札機に指をかざすような感覚で遺伝子を読んで判別してくれます

さすがに自動改札機に指をかざして遺伝子を読むような技術はとうていありえないことですが
自分の思い通りに遺伝子を操作する技術というのは確立しつつあると思います
もちろん課題はたくさんありますが。

いま改めて、ゲノム編集技術「CRISPR」のあり方を問う
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170907-00010000-wired-sctch&p=2

どこまでが許される範疇になるんでしょうか。
たとえば遺伝子疾患の治療
ふつうの病気は手術や薬で治せるのに遺伝子疾患は技術があるのに治せないなんて変だ
と言われたら?

遺伝子疾患はいいとして
その人個人の能力に関わるようなゲノム編集は?
たとえばより速く走れるより高く飛べるより長く走れるようなゲノム編集は許されるんでしょうか。それとも許されないんでしょうか。

 わたしの意見は遺伝子疾患なら遺伝子と結びつくしゲノム編集で解決することもあると思いますが
より速く走れるようになりたいとか頭がよくなりたいとかいう話になると、遺伝子どうこうするより自身の努力の方が大事じゃないの?と思ってます

 だからといって技術的にできるからなんでもありみたいな世界はどうかとも思ってます。
 この先、世界はどうなっていくんでしょうね。

日本の大学ランキングの低下。。。

中国の大学は大躍進、止まらない東大の没落 世界大学ランク46位 日本は「大学村」を破壊せよ
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20170905-00075394/


こんな記事もあるし......

科学力失速、英有力誌の再警鐘を無視する日本
https://news.yahoo.co.jp/byline/dandoyasuharu/20170823-00074863/

とはいえ、まえからランキングの低下や論文数の低下は言われていることであり
そりゃ論文数や被引用数をもとに算出してるランキングが低下するのはある意味当たり前だよねと言う感じです

それはそれとして、じゃあなんでそんなことになるのかって話だと
1. 研究に使える時間がない
2. 研究するためのお金がない
3. 研究者の評価において論文数が重要視され過ぎる
という要素があるのかなと思います。

1. 研究に使える時間がない
まずこれについてですが、研究者(大学教員)がやらなくてよいような仕事をやっている、1つ1つの仕事にかける手間にムダが多いあたりがあげられると思います。

センター試験や入試の試験監督を大学教員がやる必要性ってどこにありますか?
試験監督なら百歩譲っていいとしても、誘導とか警備を教員がやってたりしますよ
本当に意味がないんじゃないの?

仕事のムダというと事務処理に関して多い気がします。
発注はすべて事務を通せとか物品はすべてシールを貼れとか(しかも年1くらいでチェックする)
 研究費不正のことがあるのかもしれないけどその不正防止にかけたコストに見合う効果はあるの?
研究費不正した教員を適当な処分でなぁなぁにするよりしっかり裁いた方がよっぽど効果あるんじゃない?

報告書とかにしてもさ、wordで書いて、印刷して、ハンコ押して、PDFで送る(場合によっては原本も送る)
いくらなんでもムダすぎませんか... (しかもwordってめっちゃ書きにくいし)
 
2. 研究するためのお金がない
正確に言うと、お金をすごく持っているラボとお金がほとんどないラボとに二極化しているように思います。
いろんなでかいプロジェクトを当てて(そもそもなんだ当てるって表現)、何千万〜何億とかいう研究費を持っているラボがある一方で、
数百万レベルで研究すらままならないようなラボがある

いくら研究費をもらってようと、人材や時間の制約がある以上は一定期間に出る論文数には限りがあるわけで
一部のラボに研究費が集中して、ほかのラボは研究できないみたいな状態になれば
トータルの論文数は少なくなりますよね

3. 研究者の評価において論文数が重要視され過ぎる
これはある意味で当然のこととも言えるのですが、
問題は「数」が評価の対象であってその「質」が評価されるような仕組みではないということです

載った雑誌のインパクトファクターが高いと評価されるじゃないか、と思う人もいるかもしれませんが
載った雑誌がすごいからといってその論文の質が担保されるわけではありませんし
(nature, scienceクラスの雑誌でもねつ造や再現できないということはよくある)
そもそもの話として、インパクトファクターはその雑誌に載った論文の引用数によって算出される雑誌の影響度であって、論文や研究者の評価に使うものじゃありません

またもう1つの問題点は短期雇用が増えているために、限られた時間(2〜3年)の間に論文を出していかないと生き残れないということ

論文数が重要視され、かつ数年で結果を出しなさいということになれば
当然、短期間でも確実に結果が出るような研究に集中する(チャレンジングなテーマに取り組みにくい)
とすれば高いインパクトを求める高IFな雑誌には出しにくくなる
 またチャンピオンデータ、偶然うまくいった結果でも構わず論文を書く(再現性がとれなくなる)
 という結果になりかねません。

じゃあどうすればよいか?というとだいたいの話はお金が足りない!って話に行き着くんですよね
このままだとほんとにマズイことになるというかもうなってる?




2017年9月5日火曜日

認知症の薬、アミロイドベータ仮説?

世界的に高齢化社会になるにつれ、認知症が大きな関心を集めています。
全世界では4680万人、日本では462万人いるそうです。



4600万人というと、、、
韓国(約4800万人)
ミャンマー(約4790万人)
コロンビア(約4620万人)
スペイン(約4600万人)
なのでかなりの人数ですね...

日本でも今は約460万人、2025年には約700万人に達する見込みだそうです。
認知症に対する薬はどうかというとあんまりうまくいっていないようです

世界中の製薬会社が次々と撤退「認知症の薬」はやっぱり作れないのか
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170905-00052749-gendaibiz-soci

このニュースによると、「止める」薬はなくて、「進行を遅らせる」薬しかないようです

「止める」ことができなくて、「遅らせる」ことしかできないのであれば
ならないようにする。もしくはなったとしてもできるだけ早く見つけるようにする。という対処があります。

日本ではそういう研究ないのかな?って調べてみると、全国8ヶ所、1万人規模のコホート研究が行われているそうです。

健康長寿社会の実現を目指した大規模認知症コホート研究
https://www.eph.med.kyushu-u.ac.jp/jpsc/



検討する内容として
(1)生活習慣や基礎疾患および社会心理学的背景などの諸要因が認知症およびうつ病発症に及ぼす影響の検討
(2)遺伝性因子が認知症およびうつ病発症に及ぼす影響を環境因子による相互作用を考慮した検討
(3)認知症およびうつ病発症に関与する新たなバイオマーカーや治療ターゲットとなる因子の探索



があげられています。

生活習慣(たとえば食生活や運動、仕事なんかも含むのかな?)や他の病気の有無が認知症のなりやすさにどう関係があるのか
遺伝性因子(ゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム)が認知症のなりやすさにどう関係するのか
それらのデータから新たなバイオマーカーとかを探そうということですね

なんで新しいバイオマーカーや治療ターゲットを探すかというと、
認知症の薬のターゲットはアミロイドベータというタンパク質ですが、症状が出るくらい蓄積が進行してからではアミロイドベータを叩いても遅い
なのでもっと早い段階で認知症を見つけるバイオマーカーあるいは蓄積が進行してからでも効果のあるような治療ターゲットを探そうということだと思います。

コホート研究ですから数年ですぐ結果が出るようなものではないと思いますが、
短期的な結果、すぐ産業に応用できる結果を求めるような風潮がありますし、
じっくり5〜10年とかのスパンで研究を支援するようになってほしいものです。



ボイジャーの探査、2001年宇宙の旅。

yahooニュースにこんな記事が

40年前に打ち上げられた探査機ボイジャー、今なお続く宇宙の旅
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170904-00000047-jij_afp-sctch&p=2



40年前に打ち上げた探査機がいまだに動いてるってすごいな...

ところでいまボイジャーってどこにいるんだ?って思って検索したら

ボイジャー1号、ついに太陽系を脱出
https://moonstation.jp/blog/planetaryexp/voyager/voyager-1-finally-exits-solar-system
って記事が2013年に出ていた。
 太陽風が届く範囲から脱出できるくらい遠くまで行ってんだなー
どこまでいくんだろう。
 
はなしは変わるけど宇宙モノのSFというと2001年宇宙の旅だけど
続編的なものに「2010年宇宙の旅」「2061年宇宙の旅」「3001年終局への旅」があるんですよね
作者のあとがきとか読むと続編としては書いてないというような記述がありますが、
ほぼ続編みたいなものと解釈しています。

おもしろいから機会があったら是非読んで見てください。

HAL9000のような人工知能(2017年の今でもHALの完成には程遠そう)もまた出てくるし、地球外生命体とかも出てくる(可能性はかなり高いと思うけどいまのところ見つかってはない)

SF世界のような技術が現実になることもあるけど、 2001年宇宙の旅あるいは3001年終局への旅のような世界がくるのが先か
1984年のようなディストピアあるいは渚にてのような破滅の世界になるのが先か...
と北朝鮮の核実験、ICBM発射準備のニュースを見て考えてしまいました。

2017年9月3日日曜日

普段の飲み物、紅茶orコーヒー?

今日は病院に行ったり、買い物をしたり。

買い物ついでにいつも職場で飲んでいる紅茶パックを補充。

マスカットティーに加えて、チャイとオレンジティー
まえはコーヒー派だったんだけど、スタバのチャイティーラテを飲んでからはすっかりチャイ、紅茶派になった気がします。

コーヒーもきらいってわけじゃないんですが、手軽さとか考えると紅茶のティーバックがいいなと。
紅茶だとフレーバーとかフルーツがついていたりするし。

みなさんは紅茶派?コーヒー派?あるいは緑茶派?
(でも紅茶と緑茶ってもともとの茶葉って同じなんですよね...)

2017年9月1日金曜日

ハチの幼虫が働き蜂になるか、女王蜂になるかを決定付ける理由

Twitter で面白い論文のツイートがあったので読んでみた。



Plant microRNAs in larval food regulate honeybee caste development
http://journals.plos.org/plosgenetics/article?id=10.1371/journal.pgen.1006946

ハチの幼虫が働き蜂になるか、女王蜂になるのかはよく言われるロイヤルゼリーだけではなく、
働き蜂が集めてくる花粉のダンゴ(beebreadというんだそうで)にある植物のRNA, microRNAとよばれる分子によって働き蜂になるのが決まるそうだ。

ざっくりまとめると、
microRNAが、ロイヤルゼリーよりもbeebreadのほうに多く含まれている。
ロイヤルゼリーは働き蜂が分泌するので、蜂由来のRNA, microRNAが多くて、
beebreadは花粉がもとになっているので、植物由来のRNA, microRNAが多い。
で、その植物由来のRNAを食事とともに与えると身体の大きさが小さくなる。
分子メカニズムとしては、miR162aがmiTORに作用して...ということらしい(そのへんはよくわかんなかったしもうちょっと読んでみよう)

しかもおもしろいのは、社会性昆虫ではないDrosophila (ショウジョウバエ) でも似た作用があって、身体の重さや大きさがちいさくなるんだそうで。

率直に言って...すごいメカニズムだな...という感じと同時にどうやって共進化してきたの?って感じ

どうやらいろいろな植物間でmicroRNAは保存されているそうで、多少植生が違っても
microRNAの作用としては同じような感じになるっぽい。

うーむ、、、生物って不思議、、、

あと気になったのが、ほかの高等生物でも同じようなことって起きてるんだろうか?

たとえばヒトで食べたもののなかのmicroRNAが体を巡ってたとえば免疫を活性化するとか
あるいは腸内細菌になにがしかを影響を与えるとか

もうそこまで考えちゃうとだれも手出しできないくらい複雑な系になりそうだけど!