2017年9月5日火曜日

認知症の薬、アミロイドベータ仮説?

世界的に高齢化社会になるにつれ、認知症が大きな関心を集めています。
全世界では4680万人、日本では462万人いるそうです。



4600万人というと、、、
韓国(約4800万人)
ミャンマー(約4790万人)
コロンビア(約4620万人)
スペイン(約4600万人)
なのでかなりの人数ですね...

日本でも今は約460万人、2025年には約700万人に達する見込みだそうです。
認知症に対する薬はどうかというとあんまりうまくいっていないようです

世界中の製薬会社が次々と撤退「認知症の薬」はやっぱり作れないのか
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170905-00052749-gendaibiz-soci

このニュースによると、「止める」薬はなくて、「進行を遅らせる」薬しかないようです

「止める」ことができなくて、「遅らせる」ことしかできないのであれば
ならないようにする。もしくはなったとしてもできるだけ早く見つけるようにする。という対処があります。

日本ではそういう研究ないのかな?って調べてみると、全国8ヶ所、1万人規模のコホート研究が行われているそうです。

健康長寿社会の実現を目指した大規模認知症コホート研究
https://www.eph.med.kyushu-u.ac.jp/jpsc/



検討する内容として
(1)生活習慣や基礎疾患および社会心理学的背景などの諸要因が認知症およびうつ病発症に及ぼす影響の検討
(2)遺伝性因子が認知症およびうつ病発症に及ぼす影響を環境因子による相互作用を考慮した検討
(3)認知症およびうつ病発症に関与する新たなバイオマーカーや治療ターゲットとなる因子の探索



があげられています。

生活習慣(たとえば食生活や運動、仕事なんかも含むのかな?)や他の病気の有無が認知症のなりやすさにどう関係があるのか
遺伝性因子(ゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム)が認知症のなりやすさにどう関係するのか
それらのデータから新たなバイオマーカーとかを探そうということですね

なんで新しいバイオマーカーや治療ターゲットを探すかというと、
認知症の薬のターゲットはアミロイドベータというタンパク質ですが、症状が出るくらい蓄積が進行してからではアミロイドベータを叩いても遅い
なのでもっと早い段階で認知症を見つけるバイオマーカーあるいは蓄積が進行してからでも効果のあるような治療ターゲットを探そうということだと思います。

コホート研究ですから数年ですぐ結果が出るようなものではないと思いますが、
短期的な結果、すぐ産業に応用できる結果を求めるような風潮がありますし、
じっくり5〜10年とかのスパンで研究を支援するようになってほしいものです。



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