2017年11月26日日曜日

研究室を選ぶときに考えること〜学部生編〜

たぶんもう少しすると、学部3年生が来年配属の研究室を選ぶ時期になるのかな
と思ったのでこの記事を書きました。(もし遅かったらどうしよう...)


たぶんこういう記事っていろんな人が書いているので、参考程度にしてもらえれば幸いです。

ただ思っていることが1つあって、それは
その記事って大学院進学、それも博士号まで視野に入ってる人向けっぽくない?
ということ

ある程度は仕方ないのかもしれませんがどうしてもそう思えてしまうのです
なので今回は自分が学部卒、修士卒まで...という場合にどうやって研究室を選ぶかなと考えて書いてみました。
とりあえずまずは学部生編。

一般的なことは自分の実体験とか含めて、こういう研究室の方がいい。こういう研究室はダメ 。というのを書いてみました。

一般的なこと(関係なくチェックしたほうがいいと思うこと)

重要だと思う順に5つ並べてみました。

1. 先生との人柄、相性
2. 研究室にいる時間と時間帯
3. 就活、院試の時期について
4. 研究テーマの選び方、実験の進め方
5. 研究室の実験報告の形式

1つずつ解説していきます

1. 先生との人柄、相性
正直、この人って人格的に問題あるよなぁという人もなかにはいます
セクハラパワハラの類は論外にしても、
怒りっぽい先生、無口な先生、よく喋る先生、お酒が好きな先生、きらいな先生
いろいろいます。
こういう人は嫌だな... と思うようなタイプの先生のところは避けた方がよいです

それと大学内であの先生って実は...みたいなウワサってよくあると思いますが、当たっていることもありますが、あてにならないこともあります
情報収集をすること自体は悪いことではありませんが、ウワサにはウソも混じっていることもあります
きっちりとした情報を得るためにも、できれば実際に研究室にいる先輩に話を聞いておいたほうがよいです
研究室の学生・院生に話を聞くのは大事ですよ!

2. 研究室にいる時間と時間帯
研究室にはほんといろんなスタイルがあります、それは時間に関しても言えます。
研究室にいついてもやることやれば関係ありません というひともいれば、
きっちり決まった時間に研究室にいてほしい というひともいます。
あとは土日に来いっていう研究室もあったりします。

個々人にいろいろな事情がありますから、自分にあったところを選ぶのは大事だと思います。例えばバイトをしなきゃいけないとか家が遠いとか...
というか雇用関係もなんもないのに土日まで来い!みたいなスタイルに従う必要はまったくないと個人的には思います

ただ、いついても構わないという研究室でも、4年生の実験に慣れてないうちは先生や先輩がいる時間帯に実験することをオススメします
もちろん大学院生でも誰かいる時間帯に実験することをオススメします
理由としては夜間に1人で実験すると万が一、実験機器のトラブルや怪我するような事故があったときに対処できないということがあげられます
実験機器くらいならまだ替えが効くと思いますが、怪我は取り返しがつかないこともあるので本当に気をつけてください。

あとは夜型で昼夜逆転みたいな状態だとしたら、社会に出ることも考えて少しでも昼型にシフトするのをオススメします(笑)
 
3. 就活、院試の時期について
たいていの人は就活あるいは大学院入試に数ヶ月はかかると思いますし、いろいろと準備もする必要があります。
その間、まったく研究室に来ないというのもどうかとは思いますが、
就活、院試のときも毎日実験しろ、勉強は後回しというのもどうかと思います。

というわけでそのへんの就活・院試に対する研究室のスタンスは確認しておいたほうがいいと思います

4. 研究テーマの選び方、実験の進め方
研究テーマをどういう風に選ぶのかは研究室次第です。
自分が在籍していた研究室は、4年生であっても1人1テーマで実験を進めるというスタイルでしたが
周りの話を聞いていたら、4年生は先輩の実験を手伝う...みたいな研究室もあると聞きました。

1人1テーマの方がよかったりするのかなとも思いますが、
一方で実験の進み具合によっては1年間ずっとPCRだけ...みたいなことになったりします。
でも学部で卒業して就職する人がPCRだけやってましたってなってもそんなに問題ではないのでは...とも思ったりします。
実験技術を学ぶこと自体よりも、実験結果から考察をしっかりすること、事実に基づいて話をすることを学ぶことのほうが大事じゃないかなと思っています。

5. 研究室の実験報告の形式
研究の進め方として、
実験結果について毎日議論して進めたい というひともいれば
ある程度放任主義でまとまってから議論する というひともいます

個人的には、放任主義より毎日(でなくても定期的に)進捗や方針について話せる研究室の方が良いと思います。
はじめのうちは、右も左もわからないでしょうし、変な方向で実験を進めてしまう前に軌道修正できたほうがいいです。

研究室で実験の進捗について報告するゼミもあると思いますが、
可能なら1度見に行ってみると良いと思います。
もし、誰かが実験に失敗して進まなくて...みたいな発表だったらある意味チャンスです。
先生や先輩がどういう対応をするか観察しましょう。

もし実験が足りないとか勉強不足だとか叱責するだけのようなら、危ない研究室の可能性が高いです
アレは確かめた?そういうときはこういう対策が...というような今後のアドバイスがあるようなら、たぶん大丈夫だと思います。

まとめ
書いてて思ったんですが...
「研究室ごとにスタイル違うし、好みの問題」ってことになってね...?
役立つのかこれ...

とりあえずちゃんと研究室見学は行って、先生だけじゃなく所属する学生院生にも話を聞きましょう!気になることがあるならなおさら!

2017年11月4日土曜日

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初出掲載:2017年11月4日


2017年11月3日金曜日

これから卒論、修論を書く人達へ。

Twitterでやたら卒論の話が出ていたので急いで自分の考えをまとめてみました。
最低限確認するべきこと、やっておいた方がいいこと5つ。





こうならないために...笑


やるべきこと5つ。
1. 提出日、様式を確認すること
2. 実験データ、論文原稿のバックアップをとること
3. 実験ノートを見返し、必要な情報を集めること
4. 締め切り前の先生の予定を確認すること
5. 予防接種を受けること、風邪対策をすること

それぞれについて説明します。

1. 提出日、様式を確認すること
これは非常に大事です。
スケジュールを立てるのに必要ですし、先生に見せたときに「いつが締め切り?」と聞かれて把握していないと先生も困ってしまいます。

提出日を確認するときは、日にちだけでなく、締め切りの時間も確認しておきましょう。
月曜日の17時までが締め切り... と思っていて、実はその日の12時までだった...なんてことのないように。

様式については、書いて印刷して出せばいいんでしょ?とか思っている人は気をつけましょう。
もちろん用紙サイズやフォントサイズ...なども大切ではありますが、それ以上に大事なのが
どのような形式で出せばよいのか
ということです

ただ印刷したものをホッチキス留めで出せばいいのか?
パンチで穴をあけてファイルに綴じて出せばいいのか?
簡単にでも製本した状態で出せばいいのか?

またそれを何部つくって、なにといっしょに提出するのか?
も確認しましょう。
もしかしたらこれで審査をお願いします、という書類が必要でハンコがいるかもしれません。そんなときにハンコがなくて...とかだと目も当てられません

最後に大事なことですが、
これらの規定を事務など、しっかりしたところに確認すること
です。
友人に聞いたとしても、勘違いしてることとかありますから!

2. 実験データ、論文原稿のバックアップをとること
パソコンは壊れるものです。
おそらく使っているパソコンは入学したときに買ったものだと思います。
4年ほど使っていれば多少の故障も起きます。

卒論提出前にHDDが壊れて、卒論も実験データもなくなりました... とかは目もあてられません。

バックアップは2重3重にとるようにしましょう。
個人的オススメは
1. 研究室に共用であるPC
2. 自分で用意した(PCとは別の)HDD
3. クラウドサービスのストレージ
の3つにバックアップをとることです。

実験データは引き継ぎのため、保存しなくてはいけないものなので研究室のPCにも保存しましょう
生データとある程度前処理をしたデータ両方ともとっておきましょう。

論文の原稿はバージョン管理をして、日付つきで保存しておきましょう。
いつの原稿を先生に見せたのか、それを含めて管理できると良いと思います。

3. 実験ノートを見返し、必要な情報を集めること
論文には当然、Material and Method の項目があります。
それを書くには、実験のやり方を振り返る必要があります。

例えば分子生物学でよく使うPCRで言えば
遺伝子Aを以下の条件でPCRした... というような記述になると思いますが、
プライマーの配列は?
反応温度の条件は?
使った酵素の名前とメーカーは?
PCRに使用したサーマルサイクラーの名前とメーカーは?
と確認するべきことがいくつかあります。

自分がそうでしたが、4年生始めの頃の実験ノートの書き方がアレだったので 笑
できるだけ早めに確認しておいた方が良いと思いますよ。

4. 締め切り前の先生の予定を確認すること
あなたが卒論を見てもらいたい、と思っているときは当然他の人も見てもらいたいときですし
先生たちもずっと卒論にかかりきりになれるわけじゃありません

見てもらおうと思ったら、他の人の卒論練習をしていた...とか実は出張で1週間くらいいないなんてことにならないようにできるだけ確認しておき、
先生と都合が合わないようなら、どうするかを相談しておきましょう(例えばメールでやりとりするってことも可能ですし)

5. 予防接種を受けること、風邪対策をすること
意外に思われるかもしれませんが大事です!

もしあなたが卒論締め切り1ヶ月前あるいは1週間前にインフルエンザにかかったら...
インフルエンザで倒れてしまうなんてことがないように予防接種はしておきましょう。
予防接種をしていてもかかってしまうこともありますが、予防接種には重症化を防ぐ効果もあるそうですから無駄にはならないと思います。

あとは風邪対策をすること!
風邪のひき始めには、周りに広げないためにもマスクをしましょう
乾燥するとよくないので、適度な湿度を保ちましょう
十分な休養と栄養をとりましょう

とくに卒論前になると、実験をしたり、論文を書いたりで夜遅くなったりコンビニ食が増えたりすると思います。
実験も大事かもしれませんが、それ以上にしっかりと休むことが大事ですよ!

最後に。
卒論を仕上げるのはとても大変なことだとは思います。
でも1年やってきた実験としっかり向き合って、考えるということはものすごい糧になります。
人によってはポジティブな実験結果が出なかったかもしれません。

でも卒論で見ていることは「ポジティブな実験結果」ではなく、「論理的に物事を考えているかどうか」 だと思っています。

実験結果に一喜一憂することなくがんばって!

2017年10月25日水曜日

筋トレ日記その2

早速2回目にして、筋トレした日に更新できていない 笑
き、筋トレ自体は続けてるから(震え声)

10/17
レッグエクステンション 30kg 10回 36kg 10回
レッグカール 36kg 30回
チェストプレス 35kg 40回
腹筋 30回
5kg バーベルカール(?)左右それぞれ45回
5kg リストカール 左右それぞれ40回

10/22
テニス 3時間

もうちょっと週2、3日くらいまで増やしたいかも。。。
 
10/25 体重・体脂肪率の記録
71.1kg 20.4%


2017年10月23日月曜日

QIIMEインストールのやり方


今回はQIIMEのインストール方法について書きます。




QIIMEってなあに?というと
微生物群集解析用のプログラムのことです。
次世代シーケンスで取得した配列データを処理して、どの微生物がどれくらいいるかとかサンプル同士の比較をすることができます
http://qiime.org/


QIIMEのインストール方法としてはいくつかあるのですが、

1. Macに導入する方法(macqiime)← おそらくこれが一番楽
2. WindowsVirtual Boxを導入、環境設定を行ないインストールする方法

3. Linuxサーバーにインストールする方法

があります。



あとは自分のPCにインストールするというわけではありませんが、Amazon Web Service上でQIIMEを使用することが可能です。
http://qiime.org/tutorials/working_with_aws.html


いまいち料金のことを理解していないのだけど、基本的には借りるサーバーのスペックとCPU使用時間によって決まるもの... とは思います


わたしはmacユーザーなので私が解説できるのは、1.2.3 ...のうち1だけです笑
2. 3 の方法についてはわからないので...

まず自分の環境から。

macOS Sierra バージョン 10.12.6
Macbook Pro (13-inch, 2016, Two Thunderbolt 3 ports)
プロセッサ 2 GHz Intel Core i5
メモリ 8 GB 1867 MHz LPDDR3グラフィックス Intel Iris Graphics 540 1536 MB

導入するのは2017年10月時点で最新バージョンである 1.9.1です。

1. Macに導入する方法

まずXcodeをインストールします。
App Store -> Xcode で Xcodeをインストールします




つぎにQIIMEのホームページからファイルをダウンロードします
http://www.wernerlab.org/software/macqiime のDownloadから落とせます



ターミナルを起動します(Launchpad -> その他 に入ってます)
cd Downloads/
のコマンドでダウンロードしたQIIMEの tgzファイルが保存してあるフォルダに移動します(通常だとダウンロードフォルダ)

md5 MacQIIME_1.9.1-20150604_OS10.7.tgz
のコマンドでファイルの確認をします。
* MacQIIME あたりまで入力して tabキー押すと、ファイル名が補完されます


MD5(エムディーファイブ、Message Digest Algorithm 5)とは、与えられた入力に対して128ビットのハッシュ値を出力するハッシュ関数である。(Wikipediaより)

要はファイルが破損していないことを確認するための手段です
ダウンロードのページに製作者が計算したMD5値があるので、違いがないか確認しましょう

つぎに
tar -xvf MacQIIME_1.9.1-20150604_OS10.7.tgz
のコマンドをうち、tgzファイルを解凍します
なにやらいろいろとファイルのリストが出力されます


※ tar: 未知の拡張ヘッダキーワード `SCHILY.dev' を無視 というエラーが出ていますが
  無視して構いません

しばらくして操作できるようになったら、
cd MacQIIME_1.9.1-20150604_OS10.7
とコマンドをうち、MacQIIME_ ~ のフォルダに移動します
フォルダのなかに install.s というファイルがあるのでこれを
./install.s
のコマンドで実行します

するとパスワードを聞かれます
入力しても特に表示が出ないので一瞬ビックリすると思いますが入力はされています
管理者のパスワードを入れましょう


しばらくするといろいろと表示が出て、スクリプトが終了します
通常であれば、ここで "macqiime" とコマンドを打つと、QIIMEが起動します

OS 10. 11 (El capitan) 以降の mac OS では少しセキュリティ上の仕様が変わっていて
/User/bin フォルダへのインストールができなくなっています
そこで、
sudo cp scripts/macqiime /usr/local/bin/macqiime
sudo chmod a+x /usr/local/bin/macqiime 
のコマンドでコピーし、アクセス権を変更します
そうすると macqiime のコマンドでQIIMEが起動します


起動するとこんな感じの画面になります


動作確認をするために、 解析スクリプトのヘルプを表示することと、QIIMEの環境設定を表示することをやってみましょう

align_seq.py -h
とコマンドを打つと、配列のアライメントを行うためのスクリプトのヘルプが出力されます。
*ほかのスクリプトでも -h の引数をつけてコマンドを打つと、ヘルプが出力されます


ほかには、QIIMEの環境設定(プログラムのインストールの有無、バージョン)を出力するスクリプトもあります
print_qiime_config.py
とコマンドを打つと、環境設定が出力されます。
*プログラムが動かないときなんかはこの結果があると原因がわかりやすいです


ここまでの画面が出力できたら、QIIMEのインストールは大丈夫...なはずです
プラスアルファでインストールできるプログラムはいろいろとありますが
基本的な解析をするには問題ないはずです

ただ。。。ここまで書いておいてアレですが
QIIMEっていまバージョン2へのアップデート中なんですよね、、、
つぎのQIIMEの解析についての記事書かないうちにバージョン2のインストールの記事書くなんてことないようにしないと。。。









2017年10月12日木曜日

筋トレはじめました



ちょっとおもうところがあって筋トレを始めました。

理由としては
大学院に入ってから(というか大学の部活をやめてから)体重がかなり増えてること
最近出た健康診断の数値が悪くなってきたこと

要は運動不足で体がやべーことになってきてるから本格的にやばくなる前に対策をしておこう!ということです
(仕事柄、座っていることも多いですから)

で、なぜわざわざブログに書いているかというと

単純に筋トレやった履歴や体重等を記録しておきたいから
言語化することによっていい面悪い面などに気づけるから
同じように筋トレしてる人と情報交換したいから
ここで宣言することによって退路を断ちたいから

という狙いがあります

1週間ほどやってみて気づいたこととしては

時間があったら行く、くらいだと行かない
時間が空いたら...とかだと行かない。
時間を決めてそこまでに仕事を終わらせるようにする。
もし終わらないなら仕事をそこで切り上げる

時間が短くても意外と汗はかくもの
単純に体力が落ちたからという説もありますが... 30分とかでも汗はかくし
やはり運動すると気持ちがスッキリします

というわけで今日から正式に筋トレを始めることを宣言します

10/12 (木) の記録
72.9 kg 体脂肪率 23.5 %





2017年10月1日日曜日

博士号を取るということはどういうことか

最近、社会人になってから大学院に入って博士号を取ろうという人、取ったという人によく会います。

自分自身もそうですけど、
博士号を取るというのはどういうことか?どういう人に与えられるのか?
と考えることが多かったです。

そういうときに出会ったのが以下の記事

The illustrated guide to a Ph.D.
http://matt.might.net/articles/phd-school-in-pictures/

簡単に紹介すると、
まずなにか紙でもなんでも丸をかきます


 この丸は全人類は持つ知識の範囲です
それで小学校、中学校を卒業するとその知識が青い部分まで少し広がります


高校を卒業する頃にはさらに知識が緑色の部分まで広がります


大学を卒業して学士の学位を得ると知識がピンクの部分まで広がり、
専門的な勉強もするので、専門性も深くなって少し人類の知識範囲の限界に近づきます


修士の学位を得る頃にはさらに専門性を深めて、赤色の部分まで知識が到達します。


その後、研究論文を読んでいくと、人類の知識の果てに辿り着きます。


でその境界を拡大するとこんな感じになる



 研究を数年続けていくと、ある日、その境界を広げることができます



このポコっと突き出たところ、それをPh.D (博士号) といいます



人類の知識の範囲は少し大きくなりました
ずっと広げ続けることを忘れてはいけません


この話で重要だと思うのは、
知識の境界をちゃんと知って、そこを広げるような研究テーマを自分で設定するということ
また博士課程では、そういうことが出来るようになることが目標ということ
研究でわかったことの成果の大小は博士号とは関係ないということ
かなと。

よく言われることだと思うけれど、博士号って車の免許を取ったくらいだと思うんですよ
研究のやり方とかを覚えて、自分でできるくらいのイメージ

だからアカデミアにしても、民間に就職するにしても、博士のときのテーマと似た分野にこだわる必要はないし
だからこそ新しい場所や他の分野とかに行ったときでも通用するようなスキルが必要になります

指導教官とかにテーマを与えられて、黙々と実験して、言われるまま論文書いて卒業とかだと後が続かなくてつらいだろうなぁ... と思うわけで
逆に言うと、勉強のやり方をしっかりしておけば
多少分野が違うところに行って、新しいことを始めるときでもなんとかなるんじゃないかと思うわけです

2017年9月20日水曜日

フレイルと運動と食事と

 Yahooニュースにこんな記事がありました

高齢で活力衰える「フレイル」、国内250万人が該当か
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170918-00000017-asahi-soci


厚生労働省研究班の報告書によるとフレイルとは「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」
とされています。

要は運動機能、認知機能が低下して生活する力が少なくなっている状態ということです

対策として「フレイルの人が元気を取り戻すためには、肉類も含めてしっかり食べて日常的に運動をするほか、社会活動に積極的に参加することなどがすすめられている。」
とあります

肉類をしっかり食べるということは筋力の維持に大事です
生物というのはつねにタンパク質を分解しつつ、一方でタンパク質を合成しています
なのでタンパク質、肉類をちゃんと取ることが大事です

日常的な運動、社会活動への参加はすることによって筋力を維持するということでしょう
よくテレビとかでいるマラソンやったり農作業しているおじいさんおばあさんはそんな年齢に見えないくらい若いこと多いですよね

でもあれって
運動や社会活動しているから若々しく健康のか
若々しく健康だから運動や社会活動を続けられてるのか
どっちなんでしょう

どちらにせよ若々しく、健康でいるために日常的な運動は続けようと思います

2017年9月18日月曜日

博士号取得者の就活情報まとめ

これから博士号とるよって人や博士号をとってポスドクしてる人に向けて
アカデミアにしても民間企業にしても就職情報を集めるのにいいサイト(自分が使っているサイト)をまとめてみました。
(2017年11月14日更新しました)

イノベーション創出を担う研究人材のための キャリア支援ポータルサイト
https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekTop



科学技術振興機構(JST)が運営するポータルサイト
アカデミアのポジションやテクニシャンの募集もあるし、民間企業の募集もある。
マイナビリクナビのようなサイトより研究職の募集が多いし使いやすいのでは

キャリア支援(ビジネス人材育成センター)
http://www.aip.nagoya-u.ac.jp/graduate/career/

名古屋大のキャリア支援です。
名古屋大の...とは言っても所属が名古屋大でなくても登録できます(状況が変わっていなければ...)
個別面談だけでなくセミナーや交流会もあります

博士情報エンジン wakate
https://ssl.phd-engine.net/wakate/






J-recinと連携し、民間企業の若手対象非公開求人情報の提供をしているサイトです
卒博士対象もしくは学位取得後1~2年の方対象ということなので中身は見ていませんが役立つと思います


 博士情報エージェントPh.D. AGENT
 https://ssl.phd-agent.net/


株式会社エマージングテクノロジーズが運営するポータルサイト
j-REC-INとは違ってアカデミアのポジションはあまりなく、民間企業の募集が中心
博士・研究職コンサルティングもやってくれる

 博士人材のための逆求人型就活サイト OfferBox Ph.D.
https://phd.offerbox.jp/



株式会社i-plugが運営する2017年8月31日にリリースされた就活サイト
まだほとんど使っていないので中身がわかっていませんが、
プロフィールを書いて興味持った企業からオファーがきたり、こっちからオファーしたり?というサイトの様子

Linkedin
https://www.linkedin.com/


LinkedInというSNS、自分のプロフィールを書いたりして人材交流をする...というサイト
必ずしも交流ばっかりじゃなくていろんな企業が募集をしていてそこに応募できる。
iOSアプリにLinkedIn求人というアプリもあって日本だけじゃなく海外の募集も見れる。
どちらかというとアカデミアより民間企業志向?

もしこんなサイトがあるよとか情報ありましたらコメントしてくださると嬉しいです


納豆菌は最強で甘く見ない方がいい(らしい)

少し前に納豆菌に関してこんなニュースが出てました
「納豆菌が強すぎて、納豆厳禁の職場がある」「宇宙空間でも死なない」 ネットに広がる“納豆菌最強伝説”はどこまで本当?
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170915-00000003-it_nlab-sci



微生物学を学んだ人なら納豆菌(というかBacillus属)の強さはよくご存知でしょう。

とくに芽胞とよばれる状態になるとエラく強い状態になります。
オートクレーブ滅菌(121度、2気圧で20分ほど熱をかけて微生物を殺す) でも生き残ることがあって、
1度オートクレーブ滅菌をして、しばらくしてからまたオートクレーブ滅菌をするという方法があるくらいです
このことは納豆作るのとは無関係ではないです
納豆がワラに包んである絵がよくありますが、これはワラについてる納豆菌を使って発酵させるため、包む前にはワラを煮沸消毒することで納豆菌以外の菌を殺して芽胞を目覚めさせるためと言われてますね

食品系で納豆が御法度になるのはこの耐性の強さがあるからでしょう
(銀の匙でもチーズ作りのときに前日に納豆食べたか聞いていましたね)

繁殖力もあげられてますが、納豆菌が30分に1回分裂するのに対して
清酒を作るのに使う酵母は2〜2.5時間に1回分裂
乳酸菌は1時間に1回分裂
なのでだいぶ納豆菌は分裂早いですね

たった30分くらいの違いでしょ?とおもうかもしれませんが微生物は倍々で増えていくのであっという間にものすごい数の差がつきます

最強と言われて話題になっている納豆菌ですが、すでに納豆菌が最強で甘く見ない方がいいというのを指摘していた人がいます。
それは堀川さんのこのネタ記事です。

みんな納豆菌を甘く見ない方がいい
http://horikawad.hatenadiary.com/entry/20111101/1320152177

もう一度言う。みんな納豆菌を甘く見ない方がいい。
http://horikawad.hatenadiary.com/entry/20120401/1333235687

どうやら納豆菌たちはいろいろと画策をして人間に自分たちが無害ということを教えているようである
そしてこの記事によると自分はもうダメなようである
わたしは大の納豆好きで朝と夕に1パックずつ食べているのである

しかし日本酒焼酎好きで納豆好きなわたしはどうすれば...


2017年9月17日日曜日

フジのウソ情報放送に思うこと


フジテレビ「ネットのウソ情報放送」BPO委員長談話が示す制作現場の深刻な劣化
https://news.yahoo.co.jp/byline/fujisiro/20170917-00075830/

ちょっといろいろ衝撃的だけど、その一方でまぁ仕方がないかと半ば諦め的になってます。

上記記事でも指摘されてますがBPOの発表に(https://www.bpo.gr.jp/?p=9216)
「いずれも事実ではない放送であるから放送倫理違反があることは明らかであるが、インターネット上のもっともらしい情報を真実と信じてしまったという不注意からの過誤であり、誤った内容は、過去に何度か引退表明と撤回を繰り返したことが広く知られているアニメ映画監督についての事実ではない引退宣言集と、珍しい味が売り物のアイスの実在しない味のパッケージ画像であるから、それ自体はそれほど重大とは言えない。」

ってなにいってるんですか?
過去に似たようなことしてるから勘違いしても仕方ありませんってこと?

しかも当事者が問題にしていないから審議対象ではないって...
もうテレビはフェイクニュースに対して何かを言う資格はないんじゃないかな

 で、今後の対策についてだけど
「まずなすべきは、そのサイトあるいは発信者が信用できるかどうかというチェックであり、そのためには相当な知識と経験が必要となる。しかし信用できそうに見えるサイトや発信者であっても、真実性についてどれだけ吟味しているかは不明なのであり、この点で、全国紙の記事が校閲の専門家によってチェックされているなど、活字メディアの記事が程度の差はあれ、校閲担当者によるチェックを受けているのとは全く異なる。
 そうなると裏付け取材が必要となるが、インターネット上の情報は容易に拡散されるという特質があるから、いくら同じような情報が他のサイトにあっても、その数は真実性の保証とはならない。従って裏付けはインターネット以外の場で行わなければ確実ではないということになる。しかしそれには時間と手間がかかるので、テレビ番組の制作のように時間の制約がある場合には、なかなか実行できないであろう。現に、このフジテレビの事案でも「納品期限」が優先されてしまっている。」

わかってんじゃん。
その情報源が信頼に足るかどうかを判定するには「相当な知識と経験」それに「時間と手間」がかかるって。

それって結局のところ人手と時間とお金かけなきゃ達成できないんだよ?
適当に下請けに丸投げして信頼できるものを出してくださいなんて都合のいい話はないでしょ

2017年9月15日金曜日

カッシーニと地球外生命体


さよならカッシーニ、ついに土星衝突軌道に突入
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/091100344/?s_cid=bpn_TopMR

今日の夜8時くらいにカッシーニが土星に衝突しました
カッシーニは1997年に打ち上げられた探査機で2004年に土星軌道に入りそれからずっと探査を続けてきました

いろいろと成果はたくさんありますが、生物を専門としている人間からするとやはり
エンケラダスに液体の海があることの発見
エンケラダスのプルーム(間欠泉)の発見
でしょうか。

エンケラダスというのは土星の衛星の1つです
なぜそんなところに液体の海だか間欠泉があることに生物の人が注目するの?というと
そこに地球外生命の可能性があるからです

第11回 高井研 私を氷衛星地球外生命探査に連れてって エンケラドゥスvsエウロパvsケレス(前編)
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20140708/406546/

詳しくは高井先生の記事を読んだ方がはるかにわかりやすいと思いますが
Q. なぜエンケラダスに注目するの?
A. そこに地球外生命がいる可能性があるから

Q. なぜ地球外生命がいると注目するの?
A. 地球の生命のはじまりやその成り立ちがわかる(かもしれない)から

なぜ地球の生命のはじまりを知るのに地球の外の生命を研究する必要があるんでしょうか
地球の生命というのはものすごい種類の生物がいますが、
その生物を構成する細胞、システムに着目すると1つのシステムから成り立つ生命と言ってよいです

生物の情報を書き込んでいるDNAはA、T、G、Cの塩基で構成され
その情報はRNAに転写され、20種類のアミノ酸を指定します

このシステムにはなにか必然性があるのか
ATGC 4つでなく別の4つの塩基ではいけないのか。あるいは6つや8つではいけないのか
タンパク質を構成するアミノ酸は20種類じゃなきゃいけないのか15種類とか30種類とかじゃいけないのか
(とりあえずタンパク質については20種以外のアミノ酸でも大丈夫)

あるいはまったく想像もしないようなシステムを使った生命が存在するのか
そもそも生命とはなんぞや?という根本的な問いに対する答えがでるかもしれないから着目しています

今回の探査では生命がいるかどうかの答えは出なかったけど、今後の探査に期待したいと思います




2017年9月11日月曜日

ポケモンGOでストレス解消!?









ポケモンGO、労働者のストレス軽減 初の科学的検証
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170907-00000063-asahi-sci

ちなみに論文へのリンクがなかったので論文はこっち
Pokémon GO and psychological distress, physical complaints, and work performance among adult workers: a retrospective cohort study
https://www.nature.com/articles/s41598-017-11176-2

ポケモンGOやってる人はストレスの指標が下がったけど、やってない人は横ばいだったということのようです
Abstractの最後にも言及がありますけど、「効果量としては小さいけれど、働く人たちのメンタルヘルスにいい効果がある」ということですが
効果としては小さくても 役立つならいいと思います(それにポケモンGOやったらストレスが半分になるぜ!みたいな話になってもちょっと怖い笑

あとはストレス解消に繋がらなくてもポケモンGOが運動習慣を始めたり続ける動機付けきっかけになるならとてもいいことじゃないかなーと思うわけです
運動習慣があればきっと生活習慣病予防にもなるでしょうし

データとしてとってないのかもしれないけど
たくさんやってる人たち(いわゆるガチ勢的な人たち)とたまーにやる人たち
都心の方でポケストップがたくさんある人と田舎のほうであんまりない人たち
とかで続けられたとかストレス解消に差があったりとかするのかな?

自分は最初のころにやったけどすぐ飽きてしまって辞めてしまったので。。。
ちょうどいい機会だしまた始めようかな

最後に歩きスマホはやめましょう!事故の原因になりますよー!



2017年9月7日木曜日

遺伝子はこの先どうなる?

SFの世界、自分が好きな映画ガタカ(GATTACA, DNAの塩基ATGCを表す)では、



遺伝子操作を受けた「適正者」とそうでない「不適正者」がいて、
能力的にも社会的にも階層があり差別されている
しかもそのへんのコンビニくらいの感覚で遺伝子を調べて「適正者」か「不適正者」かを判断してくれるし
自動改札機に指をかざすような感覚で遺伝子を読んで判別してくれます

さすがに自動改札機に指をかざして遺伝子を読むような技術はとうていありえないことですが
自分の思い通りに遺伝子を操作する技術というのは確立しつつあると思います
もちろん課題はたくさんありますが。

いま改めて、ゲノム編集技術「CRISPR」のあり方を問う
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170907-00010000-wired-sctch&p=2

どこまでが許される範疇になるんでしょうか。
たとえば遺伝子疾患の治療
ふつうの病気は手術や薬で治せるのに遺伝子疾患は技術があるのに治せないなんて変だ
と言われたら?

遺伝子疾患はいいとして
その人個人の能力に関わるようなゲノム編集は?
たとえばより速く走れるより高く飛べるより長く走れるようなゲノム編集は許されるんでしょうか。それとも許されないんでしょうか。

 わたしの意見は遺伝子疾患なら遺伝子と結びつくしゲノム編集で解決することもあると思いますが
より速く走れるようになりたいとか頭がよくなりたいとかいう話になると、遺伝子どうこうするより自身の努力の方が大事じゃないの?と思ってます

 だからといって技術的にできるからなんでもありみたいな世界はどうかとも思ってます。
 この先、世界はどうなっていくんでしょうね。

日本の大学ランキングの低下。。。

中国の大学は大躍進、止まらない東大の没落 世界大学ランク46位 日本は「大学村」を破壊せよ
https://news.yahoo.co.jp/byline/kimuramasato/20170905-00075394/


こんな記事もあるし......

科学力失速、英有力誌の再警鐘を無視する日本
https://news.yahoo.co.jp/byline/dandoyasuharu/20170823-00074863/

とはいえ、まえからランキングの低下や論文数の低下は言われていることであり
そりゃ論文数や被引用数をもとに算出してるランキングが低下するのはある意味当たり前だよねと言う感じです

それはそれとして、じゃあなんでそんなことになるのかって話だと
1. 研究に使える時間がない
2. 研究するためのお金がない
3. 研究者の評価において論文数が重要視され過ぎる
という要素があるのかなと思います。

1. 研究に使える時間がない
まずこれについてですが、研究者(大学教員)がやらなくてよいような仕事をやっている、1つ1つの仕事にかける手間にムダが多いあたりがあげられると思います。

センター試験や入試の試験監督を大学教員がやる必要性ってどこにありますか?
試験監督なら百歩譲っていいとしても、誘導とか警備を教員がやってたりしますよ
本当に意味がないんじゃないの?

仕事のムダというと事務処理に関して多い気がします。
発注はすべて事務を通せとか物品はすべてシールを貼れとか(しかも年1くらいでチェックする)
 研究費不正のことがあるのかもしれないけどその不正防止にかけたコストに見合う効果はあるの?
研究費不正した教員を適当な処分でなぁなぁにするよりしっかり裁いた方がよっぽど効果あるんじゃない?

報告書とかにしてもさ、wordで書いて、印刷して、ハンコ押して、PDFで送る(場合によっては原本も送る)
いくらなんでもムダすぎませんか... (しかもwordってめっちゃ書きにくいし)
 
2. 研究するためのお金がない
正確に言うと、お金をすごく持っているラボとお金がほとんどないラボとに二極化しているように思います。
いろんなでかいプロジェクトを当てて(そもそもなんだ当てるって表現)、何千万〜何億とかいう研究費を持っているラボがある一方で、
数百万レベルで研究すらままならないようなラボがある

いくら研究費をもらってようと、人材や時間の制約がある以上は一定期間に出る論文数には限りがあるわけで
一部のラボに研究費が集中して、ほかのラボは研究できないみたいな状態になれば
トータルの論文数は少なくなりますよね

3. 研究者の評価において論文数が重要視され過ぎる
これはある意味で当然のこととも言えるのですが、
問題は「数」が評価の対象であってその「質」が評価されるような仕組みではないということです

載った雑誌のインパクトファクターが高いと評価されるじゃないか、と思う人もいるかもしれませんが
載った雑誌がすごいからといってその論文の質が担保されるわけではありませんし
(nature, scienceクラスの雑誌でもねつ造や再現できないということはよくある)
そもそもの話として、インパクトファクターはその雑誌に載った論文の引用数によって算出される雑誌の影響度であって、論文や研究者の評価に使うものじゃありません

またもう1つの問題点は短期雇用が増えているために、限られた時間(2〜3年)の間に論文を出していかないと生き残れないということ

論文数が重要視され、かつ数年で結果を出しなさいということになれば
当然、短期間でも確実に結果が出るような研究に集中する(チャレンジングなテーマに取り組みにくい)
とすれば高いインパクトを求める高IFな雑誌には出しにくくなる
 またチャンピオンデータ、偶然うまくいった結果でも構わず論文を書く(再現性がとれなくなる)
 という結果になりかねません。

じゃあどうすればよいか?というとだいたいの話はお金が足りない!って話に行き着くんですよね
このままだとほんとにマズイことになるというかもうなってる?




2017年9月5日火曜日

認知症の薬、アミロイドベータ仮説?

世界的に高齢化社会になるにつれ、認知症が大きな関心を集めています。
全世界では4680万人、日本では462万人いるそうです。



4600万人というと、、、
韓国(約4800万人)
ミャンマー(約4790万人)
コロンビア(約4620万人)
スペイン(約4600万人)
なのでかなりの人数ですね...

日本でも今は約460万人、2025年には約700万人に達する見込みだそうです。
認知症に対する薬はどうかというとあんまりうまくいっていないようです

世界中の製薬会社が次々と撤退「認知症の薬」はやっぱり作れないのか
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170905-00052749-gendaibiz-soci

このニュースによると、「止める」薬はなくて、「進行を遅らせる」薬しかないようです

「止める」ことができなくて、「遅らせる」ことしかできないのであれば
ならないようにする。もしくはなったとしてもできるだけ早く見つけるようにする。という対処があります。

日本ではそういう研究ないのかな?って調べてみると、全国8ヶ所、1万人規模のコホート研究が行われているそうです。

健康長寿社会の実現を目指した大規模認知症コホート研究
https://www.eph.med.kyushu-u.ac.jp/jpsc/



検討する内容として
(1)生活習慣や基礎疾患および社会心理学的背景などの諸要因が認知症およびうつ病発症に及ぼす影響の検討
(2)遺伝性因子が認知症およびうつ病発症に及ぼす影響を環境因子による相互作用を考慮した検討
(3)認知症およびうつ病発症に関与する新たなバイオマーカーや治療ターゲットとなる因子の探索



があげられています。

生活習慣(たとえば食生活や運動、仕事なんかも含むのかな?)や他の病気の有無が認知症のなりやすさにどう関係があるのか
遺伝性因子(ゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム)が認知症のなりやすさにどう関係するのか
それらのデータから新たなバイオマーカーとかを探そうということですね

なんで新しいバイオマーカーや治療ターゲットを探すかというと、
認知症の薬のターゲットはアミロイドベータというタンパク質ですが、症状が出るくらい蓄積が進行してからではアミロイドベータを叩いても遅い
なのでもっと早い段階で認知症を見つけるバイオマーカーあるいは蓄積が進行してからでも効果のあるような治療ターゲットを探そうということだと思います。

コホート研究ですから数年ですぐ結果が出るようなものではないと思いますが、
短期的な結果、すぐ産業に応用できる結果を求めるような風潮がありますし、
じっくり5〜10年とかのスパンで研究を支援するようになってほしいものです。



ボイジャーの探査、2001年宇宙の旅。

yahooニュースにこんな記事が

40年前に打ち上げられた探査機ボイジャー、今なお続く宇宙の旅
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170904-00000047-jij_afp-sctch&p=2



40年前に打ち上げた探査機がいまだに動いてるってすごいな...

ところでいまボイジャーってどこにいるんだ?って思って検索したら

ボイジャー1号、ついに太陽系を脱出
https://moonstation.jp/blog/planetaryexp/voyager/voyager-1-finally-exits-solar-system
って記事が2013年に出ていた。
 太陽風が届く範囲から脱出できるくらい遠くまで行ってんだなー
どこまでいくんだろう。
 
はなしは変わるけど宇宙モノのSFというと2001年宇宙の旅だけど
続編的なものに「2010年宇宙の旅」「2061年宇宙の旅」「3001年終局への旅」があるんですよね
作者のあとがきとか読むと続編としては書いてないというような記述がありますが、
ほぼ続編みたいなものと解釈しています。

おもしろいから機会があったら是非読んで見てください。

HAL9000のような人工知能(2017年の今でもHALの完成には程遠そう)もまた出てくるし、地球外生命体とかも出てくる(可能性はかなり高いと思うけどいまのところ見つかってはない)

SF世界のような技術が現実になることもあるけど、 2001年宇宙の旅あるいは3001年終局への旅のような世界がくるのが先か
1984年のようなディストピアあるいは渚にてのような破滅の世界になるのが先か...
と北朝鮮の核実験、ICBM発射準備のニュースを見て考えてしまいました。

2017年9月3日日曜日

普段の飲み物、紅茶orコーヒー?

今日は病院に行ったり、買い物をしたり。

買い物ついでにいつも職場で飲んでいる紅茶パックを補充。

マスカットティーに加えて、チャイとオレンジティー
まえはコーヒー派だったんだけど、スタバのチャイティーラテを飲んでからはすっかりチャイ、紅茶派になった気がします。

コーヒーもきらいってわけじゃないんですが、手軽さとか考えると紅茶のティーバックがいいなと。
紅茶だとフレーバーとかフルーツがついていたりするし。

みなさんは紅茶派?コーヒー派?あるいは緑茶派?
(でも紅茶と緑茶ってもともとの茶葉って同じなんですよね...)

2017年9月1日金曜日

ハチの幼虫が働き蜂になるか、女王蜂になるかを決定付ける理由

Twitter で面白い論文のツイートがあったので読んでみた。



Plant microRNAs in larval food regulate honeybee caste development
http://journals.plos.org/plosgenetics/article?id=10.1371/journal.pgen.1006946

ハチの幼虫が働き蜂になるか、女王蜂になるのかはよく言われるロイヤルゼリーだけではなく、
働き蜂が集めてくる花粉のダンゴ(beebreadというんだそうで)にある植物のRNA, microRNAとよばれる分子によって働き蜂になるのが決まるそうだ。

ざっくりまとめると、
microRNAが、ロイヤルゼリーよりもbeebreadのほうに多く含まれている。
ロイヤルゼリーは働き蜂が分泌するので、蜂由来のRNA, microRNAが多くて、
beebreadは花粉がもとになっているので、植物由来のRNA, microRNAが多い。
で、その植物由来のRNAを食事とともに与えると身体の大きさが小さくなる。
分子メカニズムとしては、miR162aがmiTORに作用して...ということらしい(そのへんはよくわかんなかったしもうちょっと読んでみよう)

しかもおもしろいのは、社会性昆虫ではないDrosophila (ショウジョウバエ) でも似た作用があって、身体の重さや大きさがちいさくなるんだそうで。

率直に言って...すごいメカニズムだな...という感じと同時にどうやって共進化してきたの?って感じ

どうやらいろいろな植物間でmicroRNAは保存されているそうで、多少植生が違っても
microRNAの作用としては同じような感じになるっぽい。

うーむ、、、生物って不思議、、、

あと気になったのが、ほかの高等生物でも同じようなことって起きてるんだろうか?

たとえばヒトで食べたもののなかのmicroRNAが体を巡ってたとえば免疫を活性化するとか
あるいは腸内細菌になにがしかを影響を与えるとか

もうそこまで考えちゃうとだれも手出しできないくらい複雑な系になりそうだけど!





2017年8月31日木曜日

ワールドカップ出場!

素人目に見ても今日のオーストラリア戦はすごかった
浅野選手の1点目の動きが素晴らしかった!
完璧なタイミングの飛び出しってああいう動きのことを言うのか...!! と思いました。

井手口選手の2点目はすいません、ダメかも?と思った瞬間のゴールだったので驚きました。
松木さんといっしょに思わず叫んでしまった 笑

日本、6大会連続のW杯出場決定!浅野&井手口弾で豪州からW杯予選初勝利
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170831-00000566-sanspo-socc

わたしは高校時代テニス部だったので、テニスもよく見ます。
全米オープンに錦織選手が欠場...ということで残念...と思っていたのですが
大坂選手がすごいことをやってくれました!
なんと前年度のディフェンディングチャンピオンを破る金星!

これに負けじと杉田祐一選手やダニエル太郎選手にもがんばってほしいなー

大坂なおみは女王後継者 世界のファンから称賛の声殺到「ベイビー・セリーナね」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170831-00010005-theanswer-spo

ウィンブルドンでもビーナスと対戦がありましたし、この人は大物になる(と言っておけば俺はわかってたぞとドヤ顏できるかも...なんて)

大学院進学、博士号をとってよかったこと。

少し時期が外れてるかもしれないけど、

大学院進学、とくに博士課程進学のことについて。

大学院をやめました とか

博士にまでなったのに、なぜ報われないのか

いろいろネガティブな意見が出てくる
というか博士課程のサジェストが やめたい ってどういうことよ笑




だけど、自分としては博士号をとってよかったと思うことはある。
その理由を書こうと思う。

よかったことその1. 博士号を持っているということで大学の先生、企業からの目が変わる。

とくに研究職を目指す人にとっては大きな違いではないかと思います。
修士号を持っているときに会社勤めをしたことがないので実際にどのくらい違うかと言われると謝る用意はありますが...

さて、そもそも博士号という人はどういう人のことでしょうか?

論文が読めること?実験ができること?
わたしは「課題解決能力」だと思っています。
つまり、
いまある「課題」はなんなのか
それを「解決」するにはどうすればよいのか
それを実行できる「能力」
ということです。

価値ある博士号取得者に必要なのは「問題解決力」以上
大隅典子先生がすでに同じことを述べてらっしゃいました。

博士号を持っている人というのは、「課題解決能力」がある人のこと(と世間からは思われている)
これはどんなところに行っても共通して活かせる能力です。
そこが評価される部分と思います。

よかったことその2. 自分の興味ある分野だけじゃなくていろんなことに対しての視野が広がる

これは博士号をとりたいと思う人に持っておいて欲しい気質というか少しずつこうなっていったというか...

学士1年 + 修士2年 + 博士3年 = 計6年
も大学にいたら、学内のセミナーで発表する機会や分野が少し違う人や全然違う人の発表を聞く機会があったり、
いろいろな学会に行く機会があると思います。

セミナーや学会に行って話を聞くと、ヒト(あるいはマウス、ショウジョウバエ、微生物)にしか興味なかったけど、ほかの生物や分野もおもしろいじゃん!ということになります。

そういう考えになったのは、やはり大学院に在籍して、勉強したからです。

勉強していくと「自分が知っている範囲、知らない範囲」がわかるのと
知らない範囲のことを知っていくのがおもしろいんです。

そういう「知る喜び」を知れたことはとてもよいことだと思っています。

2017年8月18日金曜日

16S rRNA遺伝子解析とは...?


16S rRNA遺伝子による微生物の解析が最近(でもないかもしれないけど)けっこう流行です。
今日はそのことについて少し書きます。


自分が思う流行になった要因として、

1. 次世代シーケンスの登場によりデータ取得にかかる時間とコストが(主にサンガーシーケンスと比較して)大幅に減った(いまも減り続けている)こと


2. PCの性能向上、クラウドサービスの発展にともなってNGSで取得するような大きなデータセットであっても解析が比較的容易にできるようになったこと


3. 腸内細菌ブームがきていて腸内細菌(ヒト、マウスその他)を解析したいという研究者が増えてきたこと



パッと思いつく要因というとこの辺りがあげられると思います。

腸内細菌のことをあげましたが、その他たとえば口腔、皮膚、水、土壌、その他環境資料なんでもに対して適用可能なのでそういう意味でも流行になっていると思います。



さて1番目にあげた次世代シーケンスのデータ取得ですが、これは本当に安くなったと思います。なにも次世代シーケンスの機械を買う必要はなくて、ちょっと検索すれば、受託してくれる企業はいくらでもあります。

頼む企業にもよるでしょうが、1サンプルで 〜数万円というところでしょうか。(コストの話についてはまた今度書きます)

例えば薬剤処理群とコントロール群のN = 3 6サンプルで腸内細菌調べるとかなら30万円くらいでしょう。



2番目にあげた解析についてはここが問題になることが多いかなと思います。

もしどこかの受託企業にシーケンスを依頼していたとしたら、いくらか追加料金を払えばデータ解析を(基本的なものについて)やってくれるでしょう。

ただ本当に基本的なものに限っての話と思いますし、解析結果についてパラメーター変えてやらデータベースを変えてとかとなると難しいです。(対応してくれるところもあるかもしれませんが)

やはり発展的な解析となると自分自身で解析環境を整えた方がなにかと便利なことが多いです。

16S rRNA解析はけっこう昔から行われているものなので、解析ツールは豊富に揃っています。

いろいろツールはありますが、QIIMEが一通りのことができるので便利だと思っています。



QIIME: Quantitative Insights Into Microbial Ecology.

http://qiime.org/



QIIME のインストールは Macであれば比較的簡単に導入できますし、大きなデータセットでなければMacbook Airレベルでも動きます(たぶん)

インストールの方法や解析のやり方については追々記事を書いていきます。


3番目の腸内細菌ブームについては実際のところどうでしょうか。
たしかにブームではありますが、見ていると

腸のなかで細菌の影響が全身、脳の状態にまで影響するの?

と思うわけです。
理由はぼんやりとあるんですが、
かつてのヒトゲノムに対する期待、いまなら人工知能に対する期待と同じようにならないか?と思っています。
すごく期待値が大きくなったけど、思ったほどの成果がでなくて、、、みたいな

社会に対する還元としての成果がどうなるかは不明ですが、研究そのものが盛り上がることはいいことじゃないかなと思ってます。



蛇足になりますけど、いつまで「次世代」シーケンスと呼ばれるのでしょうね?

最初の次世代シーケンスといえば 454シーケンサーですが、登場が2005年です(もう10年以上経つんですね)

ほかのタイプのシーケンサーがいくつも出ていて、もとになっているテクノロジーも多岐にわたっているのに、ずっとNext Generation Sequencer (Sequencing)のまんま。

NGS現場の会の人たちは別の名称を考案していたりするのでしょうか。

たまに論文とかだと、(Ultra) Highthroughput Sequencer とかMassive Parallel Sequencerとかの名称を使っていたりしますけど。

2017年8月15日火曜日

はじめに

はじめまして。
北国の自称バイオインフォマティシャンです。

このブログでは、自称バイオインフォマティシャンが解析ソフトウェアや論文、統計学(主にR)についての備忘録、メモのシェア用にしたいと思います。
あとは大学院のこととか。
とくに解析ソフトやRで困りごとがあったら積極的に記事にして役に立てるようにしていきたい。

簡単にプロフィールを。
某大学の微生物系ラボで16S rRNA系統解析で博士号を取得。
就職し、バイオインフォマティクス系の仕事に従事。
ふと思い立ちブログをはじめることにする。(備忘録的な意味が強いですが。